成長ホルモン分泌不全性低身長症(GHD)の矯正治療

成長ホルモン分泌不全性低身長症(GHD)とは

脳下垂体から成長ホルモンを分泌する力が弱いことによって、低身長となっている状態です。

一般医科での治療はご自宅で週6~7回成長ホルモンを皮下注射する治療が代表的です。乳幼児期から治療を開始し成長が完了する中高校生(男子で17歳、女子で15歳頃)まで治療を継続します。ただし身長が男児156.4cm、女児145.4cmに達すると、医療費助成制度は適用されなくなります。

一方矯正治療の方は、身長が規定に達したあとも保険診療で継続することが可能です。

治療費は健康保険で3割負担が原則ですが小中高生までは自治体の医療費助成があるので、無償化や少額負担になることが多いです。

また20歳未満の方には国の小児慢性特定疾病医療費助成制度があり、所得に応じて月額上限まで負担が軽減されます。当院は小児慢性特定疾病医療機関に認定されていますので、成長ホルモン皮下注射治療と矯正治療の費用を合算した金額が、毎月の自己負担額の上限になります。

成長ホルモン分泌不全性低身長症(GHD)の歯並び

頭蓋顔面骨が全体に小さく、上あごも下あごも小さいことが多いです。
上下のあごの幅が小さかったり、上顎前突、叢生(でこぼこの歯並び)になったりします。
一般的に下あごが大きい下顎前突症になることは少ないとされています。

当院での成長ホルモン分泌不全性低身長症(GHD)の矯正治療

歯並びの状態に合わせて、小学生の時期に1期治療を行い、永久歯に生え揃う時期から2期治療に移行します。
一般的な不正咬合の患者様と治療方針はほとんど変わりません。
成長ホルモンの皮下注射は成長期までしか行いませんが、皮下注射をやめた後も、保険診療での矯正治療が可能です。
成人の方で、過去に成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された方も、保険診療での矯正治療が可能です。

6本以上の永久歯が生まれつき少ない(先天欠如)

先天欠如(せんてんけつじゅ)とは

生まれつき歯の本数が少ない症状を先天欠如といいます。

親知らずを除く永久歯の先天性欠如がある人の割合は約10%で、歯科医師にとってはよく遭遇する症状です。

遺伝性に出ることも多く、病気という概念ではなく、人類の進化の一環ではないでしょうか?
霊長類の中で最も原始的なサルであるメガネザルなどの原猿類は、38本の歯があります。ホモサピエンスの歯は32本ですが、現生人類の歯は28~32本と、人類の進化とともに歯の数は減少しているようです。

先天欠如が多い場所

下顎第2小臼歯に最も多く認められ、次いで下顎側切歯、
上顎第2小臼歯、上顎側切歯の順で多いです。(図参照)

先天欠如の問題点

  • ① 咀嚼(そしゃく)がきちんとできない
  • ② 不正咬合になりやすい
  • ③ 口元が引っ込みすぎる横顔になることがある
  • ④ 歯にすき間が残り審美性に劣る
  • ⑤ 発音に問題が出やすい
  • ⑥ 12歳以降も乳歯が残ることが多く管理が必要になる

先天欠如のすき間の管理

すき間をそのままにしておくのが最も問題があります。
すき間のままだとすき間を埋めるように歯が移動して倒れ込んできます。
年齢とともにすき間が増えたり、でこぼこが増えていき、歯並びが安定しません。
もちろん噛み合わせの乱れがあり、咀嚼(そしゃく)がうまくいかなかったり、特定の歯に負担がかかるようになります。

それを回避する方法は以下のような方法があります。

矯正治療

歯に接着するブラケットと外側ワイヤーで歯を正しい位置に移動させる治療を行います。
すき間をできるだけ閉じたり、すき間の箇所を集約したり、残っている歯を適切な咬み合わせにします。
期間は2年以上かかりますが、残った歯への負担を最小限にすることが可能です。
他の健康な歯に負担が少ない方法です。

自家移植

自家移植とは、失われた歯を別の歯に置き換える方法です。
先天欠如の場合は親知らずの移植を検討します。
うまく移植できれば、抜歯する可能性がある親知らずを利用して自分の歯を増やすことができるので、大変メリットがありますが、条件が揃わないことも多いです。
他の健康な歯に負担が少ない方法です。

インプラント

インプラントは咬む感覚が自分の歯と違ったり、審美性に劣ったり、メインテナンスが必要になります。
他の健康な歯に負担が少ない方法です。

部分入れ歯、ブリッジ

部分入れ歯やブリッジは、健康な歯に負担がかかり、審美性に劣るなどのデメリットがあります。

ブリッジ

部分入れ歯

保定装置(リテーナー)

部分入れ歯、ブリッジ、インプラントを入れるのは、成人になるまで待った方が良い場合があります。それまで現在の歯並びを維持するために、保定装置を入れることがあります。

クリアリテーナー

固定式リテーナー

7歳までにパノラマレントゲン
写真で確認を

永久歯の先天性欠如の有無を確認するために、7歳頃までに矯正歯科などを受診し、あごの骨全体を撮影するパノラマレントゲン写真で確認すると良いでしょう。早期に確認することでその後の対策を立てやすくなります。
レントゲンを撮影していない場合は、上顎側切歯や下顎側切歯の生え変わる年長〜小学2年(5〜8歳)頃に前歯がなかなか生えてこないので、先天欠如に気がつく場合があります。下顎第2小臼歯や上顎第2小臼歯の先天欠如は、小学4年〜小学6年(9〜12歳)頃に、第2乳臼歯がなかなか抜けないことで発見されることがあります。

当院では小児の初診相談の際にパノラマレントゲン撮影を行っております。
先天性欠如の有無の確認など、歯並びの疑問を解決する場としてご利用ください。

先天欠如(せんてんけつじゅ)の矯正治療

歯に接着するブラケットと外側ワイヤーで歯を移動します。

成長期にはフェイスマスクを使用して奥歯を前方に移動させることがあります。
中学生以降になるとスクリューアンカーを埋入して奥歯を前方に移動させる場合もあります。

レントゲンと歯型をとって、詳しい治療計画を立てます。
小臼歯は通常上下左右に8本ありますが、4本少なくてもすき間を閉じれば、きちんとした咬み合わせを作ることが可能です。 4本分のすき間を閉じることはさほど困難でない場合が多いです。
また、それ以上欠損がある場合は、将来的にインプラントを埋入することを前提とした治療となる場合もあります。

例えば6本の先天欠如がある場合も、親知らずが4本あれば、親知らずも咬み合わせに参加させることで26本の歯の咬み合わせを作ることができます。

唇顎口蓋裂の矯正治療

唇顎口蓋裂とは

唇顎口蓋裂とは、生まれつき唇と上あごが左右に離開している状態をいいます。

赤ちゃんがお腹の中で成長していく初期の段階で、左右から伸びるいくつかの突起の癒合がうまくいかないと、その部位に割れ目が残ってしまいます。

その結果、唇が裂けると口唇裂、口蓋の骨が裂けると口蓋裂、顎の骨が裂けると顎裂が発生します。頻度は約500人に1人です。

出産直後から成人になるまで、形成外科、耳鼻咽喉科、小児科、口腔外科、矯正歯科、小児歯科、言語聴覚士などの診療科が連携して診療を行っております。

唇顎口蓋裂の歯並びと矯正治療

上顎骨の劣成長による反対咬合や交叉咬合、歯の本数が少ない先天欠如、叢生(デコボコの歯並び)などが多いです。
小学校就学前に乳歯列期の拡大治療、小学生の時期の拡大治療と上顎骨前方牽引などを行います。
中学生以降に外側ワイヤー矯正にて2〜3年以上の個々の歯の位置を移動し、噛み合わせをつくる第2期治療を行います。
また、成長が止まった後に顎矯正手術を伴う外科矯正治療を行う場合もあります。

当院での唇顎口蓋裂の矯正治療

大学病院の矯正科などに通院が困難な場合は、当院にて大学病院の矯正科に替わって、歯科矯正治療のみを引き継ぐことが可能です。
また今まで歯科矯正治療を行なっていなかった方や、以前矯正治療を行なったが後戻りしたのでもう一度矯正治療を行いたい場合なども、保険診療で矯正治療が可能な場合があります。

ダウン症の矯正治療

ダウン症候群とは

ダウン症候群は、21番目の染色体が3本存在する21トリソミーと呼ばれる染色体異常によって引き起こされる先天性疾患です。

ダウン症候群の出生頻度は約1,000人に1人で、日本では1年間に約1,000人生まれていると言われています。

ダウン症候群は、心臓、呼吸器、目などの合併症を引き起こす傾向があります。
また、動作、知能、言語、社会性などの面で未発達のことが多いです。
身体的には、目が離れていて頭部が未発達なため「短頭症」と呼ばれる独特の外見をしています。

ダウン症候群の歯並び

お口の中は、上顎骨の劣成長による「交叉咬合」「反対咬合」、前歯が噛み合っていない「開咬症」、舌を常に前に出す「弄舌癖」、歯の本数が少ない「先天欠如」などの症状があります。
歯周病に罹患している割合も多く、全身の筋肉の低緊張から、お口を開けていることが多いです。

当院でのダウン症候群の矯正治療

あごの位置を正しくし、下顎骨の成長を抑える取り外し可能なマウスピース型の矯正装置を夜間使用します。その装置に対する協力度を見ながら、患者様のご希望をどうやって改善できるのか、装置を徐々に増やしていきます。小学生の頃は取り外し装置や、部分的な固定装置で歯を移動します。

必要があれば顎整形力を発揮するフェイスマスクなども使用します。
可能であれば永久歯が生え揃った中学生以降に、全部の歯のブラケットを装着する外側ワイヤー矯正を行い、歯並び全体を理想的にしていきます。

永久歯が3本以上生えてこない
(開窓牽引治療)

開窓牽引(かいそうけんいん)とは?

開窓牽引とは、骨の中に埋もれていて、自分の力で口の中に生えてこない歯(萌出不全や埋伏歯)を、口腔外科と協力して引っ張り上げ、歯列に並べる矯正治療のことです。

まず 当院では精密検査を行い、矯正治療の治療方針を決定後、口腔外科をご紹介し、開窓手術が可能か診断していただきます。

まず 次に準備としてお口の中に固定式の矯正装置を取り付け、1ヶ月〜数ヶ月歯を移動します。その後、口腔外科にて局所麻酔で埋まった歯を露出させ、露出部分に小さな金属製のブラケットを取り付け、パワーチェーンと呼ばれるシリコンゴムや、クレーンのようなワイヤー器具を使って歯を引っ張り上げます。

歯列に並べるまでには6ヶ月〜1年程度かかります。
また通常は他の歯の矯正治療も行うので、全ての治療が終わるまで2年以上はかかります。歯の位置や年齢によっては開窓牽引が難しい場合もありますが、成功すれば健康で一生使える歯になります。見た目も普通の状態を保ちます。

前歯3歯以上の埋伏歯がある場合は、保険適用で矯正治療ができる可能性があります

永久歯が3本以上生えてこないことにより咬み合わせの異常があり、連携する口腔外科にて開窓手術を行う場合、矯正治療が保険適用されます。

埋伏歯の開窓牽引だけでなく、上下の歯並び全体の矯正治療が保険適用になります。
ただし永久歯が1本または2本の埋伏歯の場合や、埋伏歯開窓術を行わなかった場合は、健康保険の適用にならず自費診療になります。

その他の先天異常が原因となる
不正咬合

まずは初診相談でご相談ください。

保険適用の疾患に含まれない先天性疾患によって、あごやお口に問題が生じ、矯正治療が必要となる場合があります。

このようなときは厚生労働省に個別に相談し、保険適用が認められる可能性があります。疾病一覧に載っていなくても気になる症状があれば、まずは初診相談でご相談ください。

以下の疾病の場合に矯正治療は保険適用されます。

下表は画面に収まらない場合、左右にスライドしてご覧いただけます。

症状 不正咬合の種類
または原因となる疾病
適用条件
歯並びの画像

歯並びだけでなくあごの形に問題がある

顎変形症
  • あごの形に問題があり手術を併用した外科矯正治療を行う場合
  • 顎変形症の病名が必要
歯並びの画像

生まれつき歯の数が少ない

6歯以上の先天性部分無歯症
  • 永久歯の数が生まれつき少ない場合
  • 歯並びの種類は問いません(※)
歯並びの画像

永久歯が骨の中に埋まったまま自然に生えてこない

前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常
  • 永久歯が骨の中に埋まったまま生えてこないため連携病院にて3本以上の開窓手術を行う
  • 歯並びの種類は問いません(※)
歯並びの画像

先天疾患が原因で歯並びが悪い

  • 特定の先天疾患がある
  • 歯並びの種類は問いません(※)

※では以下のようなすべての不正咬合が保険診療の対象です

  • 叢生(デコボコの歯並び)
  • 上顎前突(出っ歯さん)
  • 受け口・反対咬合
  • 過蓋咬合(前歯の噛み合わせが深い)
  • 開咬(前歯が噛み合っていない)
  • 空隙歯列など
歯並びの画像

先天性(生まれつき)の疾病などが原因の不正咬合の矯正治療

難病など61種類の先天性(生まれつき)の疾病や、成長期に発見される疾病による不正咬合の治療には保険適用されます。

疾病の追加が毎年4月に行われており、2023年4月現在61疾病です。

歯並びの種類や程度は問われないので、叢生(でこぼこ)、反対咬合(受け口)、上顎前突(出っ歯さん)など、すべての不正咬合で矯正治療が可能です。

61種類の疾病一覧

  • ゴールデンハー症候群
    (鰓弓異常症を含む)
  • 鎖骨頭蓋骨異形成
  • トリーチャ・コリンズ症候群
  • ピエール・ロバン症候群
  • ダウン症候群
  • ラッセル・シルバー症候群
  • ターナー症候群
  • ベックウィズ・ウイーデマン症候群
  • 顔面半側萎縮症
  • 先天性ミオパチー
  • 筋ジストロフィー
  • 脊髄性筋委縮症
  • 顔面半側肥大症
  • エリス・ヴァンクレベルド症候群
  • 軟骨形成不全症
  • 外胚葉異形成症
  • 神経線維腫症
  • 基底細胞母斑症候群
  • ヌーナン症候群
  • マルファン症候群
  • プラダー・ウィリー症候群
  • 顔面裂
    (横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む)
  • 大理石骨病
  • 色素失調症
  • 口腔・顔面・指趾症候群
  • メビウス症候群
  • 歌舞伎症候群
  • クリッペル・トレノネー・ウェーバー症
    候群
  • ウイリアムズ症候群
  • ビンダー症候群
  • スティックラー症候群
  • 小舌症
  • 頭蓋骨癒合症
    (クルーゾン症候群及び尖頭合指症を含む)
  • 骨形成不全症
  • フリーマン・シェルドン症候群
  • ルビンスタイン・ティビ症候群
  • 染色体欠失症候群
  • ラーセン症候群
  • 濃化異骨症
  • 6歯以上の先天性部分無歯症
  • CHARGE症候群
  • マーシャル症候群
  • 成長ホルモン分泌不全性低身長症
  • ポリエックス症候群
  • リング18症候群
  • リンパ管腫
  • 全前脳胞症
  • クラインフェルター症候群
  • 偽性低アルドステロン症
  • ソトス症候群
  • グリコサミノグリカン代謝障害
    (ムコ多糖症)
  • 線維性骨異形成症
  • スタージ・ウェーバ症候群
  • ケルビズム
  • 偽性副甲状腺機能低下症
  • Ekman-Westborg-Julin症候群
  • 常染色体重複症候群
  • 巨大静脈奇形
    (頸部口腔咽頭びまん性病変)
  • 毛 ・鼻・指節症候群
    (Tricho Rhino Phalangeal症候群)
  • その他顎・口腔の先天異常

前歯3本以上の永久歯萌出不全(自然に生えてこない状態)の矯正治療

永久歯が自然に生えてこない場合には、歯肉を切開して歯を牽引する、埋伏歯開窓と呼ばれる方法が有効です。
保険適用されるのは、前歯の永久歯3本がまだ生えていない状態で、埋伏歯開窓を行って矯正治療を行った場合に限ります。

この場合、埋伏歯開窓牽引だけでなく、全ての上下の歯並びの矯正治療が保険適用になります。

顎変形症の手術前後の矯正歯科治療

顎変形症とは上顎と下顎の骨の大きさや形の異常によって起こる症状です。

例えば下顎が大きい、下顎が小さい、上顎前突(出っ歯さん)、下顎が左右に偏位する非対称などが主な症状です。

軽度の顎変形症は矯正治療のみでも治療可能ですが、手術により顎変形の改善が適している場合には、保険適用になります。

顎変形症を
さらに詳しく

特定の疾病による不正咬合の治療には保険適用されますが、保険で矯正治療するためには「指定医療機関」で矯正治療をおこなう必要があります。

当院は「指定自立支援医療機関」であり、保険適用が可能な「顎口腔機能診断料算定の指定医療機関」および「歯科矯正診断料算定の指定医療機関」として認可されています。

歯科医院または矯正歯科ならどこでも、保険で矯正治療を受けられるわけではありません。

1期治療(未就学児〜11歳頃までの矯正治療)

子どもの医療費の助成(マル乳・マル子)を受けている場合

原則無償または1回200円の少額負担

未就学児と小中学生は、「マル乳医療証」または「マル子医療証」をご持参いただければ、無償または1回200円で治療が受けられます。通院は月1回程度が多いです。

子どもの医療費の助成(マル乳・マル子)を受けていない場合

約5〜10万円(3割負担での自己負担額)

自由診療の矯正治療費の1期治療に相当します。
治療開始してから1期治療が終了するまでの2〜3、4年の治療費の総額は、上記の金額が目安になります。
歯並びの程度によっては1期治療で終了することも可能です。また、ご相談の上、2期治療へ移行する可能です。

※2期治療は追加費用がかかります

2期治療(小5〜中1以降の永久歯の矯正治療)

子どもの医療費の助成(マル子・マル青)を受けている小中高生

原則無償または1回200円の少額負担

小中学生・高校生は「マル子・マル青医療証」をご持参いただければ、無償または1回200円で治療が受けられます。

18歳以上の成人(高校生を除く)および 子どもの医療費の助成(マル子・マル青)を
受けていない小中高校生

約20〜25万円(3割負担での自己負担額)

自由診療の矯正治療費の2期治療に相当します。
治療開始してから終了するまでの2〜3年の治療費の総額は、上記の金額が目安になります。

毎月の費用の負担については、保険適用の外科矯正治療の費用とほぼ同様の金額かかりますので、参考にしてください。

※保険診療では、最初に総額を提示できる自由診療とは異なり、治療内容によって1回あたりの治療費が異なり総額も異なります。
当院での自己負担金は通常1回につき1,000円~10,000円程度ですが、矯正装置を新規に装着する時や、装置の除去の際には1回あたり約2、3万円の自己負担金が発生する場合があります。

TOPICS

「マル乳・マル子・マル青」とは、子どもが一定年齢になるまで、無償または1回200円の少額負担で医療を受けられる制度のことです。
2023年度から東京都の高校生の医療費の助成(マル青)が始まりました。
これまで中学生以下を対象としていた医療費の助成を、高校生も対象に拡大することになりました。

乳幼児の医療費の助成(マル乳)

未就学児(0歳〜6歳になってから最初の3月31日まで)は、東京都全域で窓口負担がなく無償化されています。

小・中学生の医療費の助成(マル子)※

小・中学生(15歳になってから最初の3月31日まで)は、保険診療での医療費は、原則無償化されています。
自治体によっては通院1回あたり200円の自己負担があります。

乳幼児の医療費の助成(マル乳)

高校生卒業(18歳になってから最初の3月31日)までは、保険診療での医療費は、原則無償化されています。
自治体によっては通院1回あたり200円の自己負担があります。

※マル子・マル青は、一部自治体では、保護者の所得額が一定を超えると無償化の対象から外れ、医療費の3割負担が必要です。

※マル子・マル青は、一部自治体では、保護者の所得額が一定を超えると無償化の対象から外れ、医療費の3割負担が必要です。

開始年齢に特に制限はありません。3歳からの矯正治療も保険適用になります。また、年齢制限も特にありません。成人になってからの矯正治療も、また50歳代、60歳代での矯正治療も保険適用が可能です。また、不正咬合の原因となる病気の治療が完了し、現在通院していない場合でも、不正咬合の矯正治療は保険適用となります。例えば、現在は治療していないが過去に成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された方や、過去に唇顎口蓋裂の治療を受けた方も、保険診療で矯正治療を受けることができます。

保険診療の流れ

自費の矯正治療の流れと変わりません。
ただし保険診療のため、高校生以下で自治体の医療費助成を受けている場合などを除いて、毎回窓口での自己負担があります。費用は1回あたり2,000~10,000円程度が多いですが、新しい矯正装置や保定装置の装着する場合は10,000~30,000円程度かかる場合があります。

矯正治療の
流れについて

通院頻度

通院は月に1回程度になる場合が多いです。
小児の場合は、生えかわりを待つ経過観察の時期は、2~4か月の1回の通院になります。

使用する装置

ほとんどの矯正装置が保険適用されています

  • 可徹式装置(付けたり外したりできる装置)
  • 固定式装置(自分では外せない付いついたままの装置)
  • 上顎前方牽引装置(フェイスマスク)
  • バイオネーター
  • ヘッドギア
  • 外側ワイヤー矯正(マルチブラケット)

※ただし、マウスピース型矯正装置(インビザライン)と舌側矯正(リンガル矯正・歯の裏に矯正装置をつける方法)は保険適用外です。

外側ワイヤー矯正(マルチブラケット)も保険適用されます

10歳〜成人で多く使われる、個々の歯にブラケットを接着して、ワイヤーで歯を移動する装置は、保険適用されます